紅葉は庭木のシンボルツリーとして親しまれていますが、育てていると葉が丸まる場合があります。
紅葉の葉が丸まるのは「枯れている」ということで、白い斑点は「うどんこ病」という病気になっているということですよ。
紅葉を庭木にするときは「自宅で紅葉(こうよう)を楽しみたい」という理由から選ぶことがありますね。
紅葉は環境を整えないと「秋に葉がきれいに色づかない」や「枯れて丸まる」など元気に育ちません。
紅葉を育てる環境や紅葉(こうよう)のしくみを知ると、葉が元気に育ち、秋にはきれいに色づきます。
「自宅の紅葉がうまく育たない」「これから庭木として植えたい」「庭がなくても紅葉を育てたい」という人もいますね。
こちらでは紅葉を元気に育てて、秋にはきれいに葉が色づく方法を紹介します。
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紅葉の葉は丸まるのはなぜ?原因と対処法を解説!
紅葉は庭のシンボルツリーとしても親しまれていますね。
庭木で育てていると「紅葉の葉がチリチリになって丸まる」ということがあります。
紅葉の葉が丸まるのは、「枯れてしまった」ということですよ。
こちらでは葉が枯れて丸まる「5つの原因」と「5つの対処法」をご紹介します。
葉が丸まる5つの原因
- 1.直射日光
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直射日光に当たると葉焼け(火傷のようなもの)をしてしまい、葉が枯れてしまいます。
自然の紅葉は山の谷間に生息しているように、半日陰になる方がよいですよ。
- 2.水不足
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自然の紅葉は川など水源の近くに生息していますが、家の庭には豊富な水源がありません。
雨などの天候で得られる水だけでは、水不足になってしまいますよ。
- 3.病害虫
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紅葉につきやすい害虫は「テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)」です。幹の中を食い荒らし枯らしてしまいます。
幹から木くずが出ている場合は、「テッポウムシ」がいる証拠ですよ。
紅葉がかかりやすい病気は「うどんこ病」です。カビの一種で、葉に白い斑点が発生します。
- 4.暑さ・風当り
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紅葉は寒さに強いですが、暑さと風には弱いです。
高温になると葉焼けし、風が当たりすぎると葉から水分が抜けて乾燥し、枯れてしまいますよ。
4~5月は空気が乾燥し、強風が吹きやすい時期のため、5~6月に葉が枯れる場合があります。
- 5.せんてい時期
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紅葉のせんてい時期は落葉後の12月~2月が最適とされています。
最適ではない時期や特に春夏に生きている枝を切ってしまうと、切ったところから枯れてしまいますよ。
すぐには枯れないため問題ないように見えますが、数ヶ月経ってから枯れ始めます。
葉が丸まることを防ぐ5つの対処法
- 1.直射日光を避ける
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植える前であれば、直射日光が当たらない場所を選んで植えることをおすすめしますよ。
植えて間もなければ、せんてい時期と同じ「12月~2月」に植え替えることができます。
どうしても動かせない場合は、紅葉の周りにすだれを置いたり、別の木を植えたりして直射日光が当たらないようにしましょう。
- 2.水をたくさん与える
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土の乾き具合をみて、夏は朝晩2回、冬は昼間の暖かい時間に水を与えましょう。
与える量は、根元に水たまりができるくらい、たっぷりと水をかけてあげるとよいですね。
夏はホースをシャワーにして、「葉水(はみず)」をしながら紅葉全体に水をかけると、温度を下げる効果もありますよ。
おもち葉水は「葉に水をかける」ことで、病害虫の予防にもなる!
- 3.害虫駆除
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幹から木くずが出ている場合は「テッポウムシ」がいる証拠のため、すぐに殺虫剤で駆除しましょう。
- 4.病気予防・対策
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「うどんこ病」は高温乾燥の時期に発生しやすく、風通しのよい涼しい環境で「葉水」をすると予防になりますよ。
葉に白い斑点が発生していたら、殺菌剤で対処しましょう。
- 5.適切なせんてい時期
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せんてい時期は、落葉後の「12月~2月」の晴れた日に行いましょう。
冬でも湿度が高いと菌の活動が活発のため、切り口から菌が入り枯れてしまいますよ。
切り口は「傷口」と同じです。せんていした後は切り口に傷薬の役割になる癒合剤(ゆごうざい)を塗ることをおすすめします。
鉢植え紅葉の育て方
ここまで、紅葉が枯れる原因と対処法を説明してきました。
家庭で紅葉を育てる場合は、サイズが小さい鉢植え紅葉を選ぶと、育てやすいですよ。
ここでは、鉢植え紅葉を育てるためのポイントをご紹介しますね。
- 西日の当たらない場所に置く
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西日の当たらない場所に置きましょう。難しい場合は、午前中だけ日が当たる場所に置きます。
真夏は白い「寒冷紗(かんれいしゃ)」で直射日光をやわらぐと葉焼け防止になりますよ。
おもち寒冷紗(かんれいしゃ)は、不織布などでできた園芸用の布だよ。
- 乾燥に気をつける
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鉢植えは乾燥しやすいので、夏は朝晩2回、鉢の底から水が出るまで与えます。
夕方から夜にスプレーボトルに水を入れて「葉水」をすると、葉の乾燥と病害虫の予防になりますよ。
鉢を置く場所は土の上が最適ですが、難しい場合は「すのこ」や「人工芝」を敷いて置くと照り返し防止になります。
- 秋に寒暖差をつける
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9月下旬から10月上旬の涼しくなる頃から、昼夜の寒暖差をつけると、きれいに「こうよう(紅葉)」しますよ。
夕方から夜に水やりをし、鉢の周りにも水をかけて冷やします。寒い地域は霜や夜露が当たる場所に置くとよいです。
- 肥料を与える
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鉢植えは肥料不足になりやすいです。落葉後に規定量の半分から少なめの固形肥料を与えましょう。
梅雨以降は肥料を与えず、秋には肥料不足の状態にすると「こうよう(紅葉)」しやすいですよ。
- せんていと植替えをする
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鉢植えの過剰な成長を防ぎ、根の状態をよく保つために「せんてい」と「植替え」が必要です。
落葉後の12月~2月に1~2年に一度、紅葉の成長に合わせて行いますよ。
自然の紅葉は山の谷間で近くに川などの水源があり、夏でも涼しく、風も穏やかな場所に自生しています。
自然と同じような環境を作ると元気に育てることができるね。
ここでおすすめの寒冷紗は「家庭菜園用不織布 1.8MX5M 日本マタイ」です。
軽量なので紅葉に直接かけるだけで、直射日光を和らげることができます。
保湿効果もあり乾燥防止や害虫防止にもなりますよ。
屋外の家庭菜園でも使えるサイズのため、適当な大きさに切って使うことができます。
紅葉の葉は光合成するの?葉の色が変わる理由を解説!
秋になると赤や黄色に色づく紅葉の葉ですが、「植物は光合成をする」と理科で習いましたよね。
しかし、色が変わった紅葉の葉は光合成をしません。
こちらでは光合成と紅葉の葉の色が変わるしくみを解説していきます。
光合成と秋に葉の色が変わるしくみ
葉緑体には緑色の色素の「クロロフィル」があり、日光の赤・紫・青を吸収して緑色は吸収しないので、緑色に見えますよ。
秋になり気温が下がると、光合成をする力が弱まり、葉を落とす準備が始まります。
葉を落とす前に、葉に含まれる栄養素を幹や枝に回収しますよ。
栄養素を回収するときに緑の色素の「クロロフィル」が分解されます。
「クロロフィル」が分解されると、組織の破壊を防ぐ赤色の色素「アントシアニン」が作られ、葉の色が変わりますよ。
秋に変わる葉の色が違う理由
秋に葉が色づく=「こうよう(紅葉)」は葉が落ちる前に色が変わることです。
赤色だけでなく、黄色や赤茶色になることをまとめて「こうよう(紅葉)」と呼びますよ。
1日の最低気温が8℃以下になると「こうよう」が始まり、5~6℃以下になるとさらに進みます。
最高気温と最低気温の差が15℃以上あると、きれいに色づきますよ。
最後に色がわかる画像も貼り付けているので、参考にしてみましょう。
- 赤色になる「紅葉(こうよう)」
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光合成の力が弱まった植物は葉が落ちる前に、緑色の色素「クロロフィル」を分解し、葉の栄養素を回収するのです。
「クロロフィル」を分解するときに、有害物質が作られてしまいます。
有害物質は青色の日の光を受けると活性化し、植物の組織を破壊するのです。
植物の組織を守るために赤色の色素「アントシアニン」を作ります。
赤色の色素「アントシアニン」が作られると、葉が受ける日の光が赤色になり有害物質の働きを抑えることで、葉が赤色になりますよ。
葉が赤色に変わる種類は「イロハモミジ」が有名です。
- 黄色になる「黄葉(おうよう・こうよう)」
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葉が黄色になる植物には緑色の色素「クロロフィル」と黄色の色素「カロテノイド」が含まれています。
葉が赤色になる植物と同じように、葉が落ちる前に緑色の色素「クロロフィル」を分解するのです。
緑色の色素「クロロフィル」が分解されると、黄色の色素「カロテノイド」が目立ち、葉が黄色になりますよ。
「カロテノイド」も日の光から植物を守るために活躍しています。
紅葉以外に葉が黄色に変わる種類は「イチョウ」が有名です。
- 赤茶色になる「褐葉(かつよう)」
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葉が枯れたように赤茶色くなる植物もあります。
赤茶色になるのは「タンニン性の物質」が合わさり、褐色(かっしょく)色素の「フロバフェン」が蓄積されるためです。
赤色の色素「アントシアニン」が少ないと、褐色の色素「フロバフェン」が目立ち、赤茶色になりますよ。
始めに黄色くなり、途中で橙色(だいだいいろ)になってから赤茶色になるので、時間の経過でさまざまな色が見られます。
紅葉以外に葉が赤茶色に変わる種類は「ケヤキ」が有名です。
同じ樹で葉の色が異なることも、紅葉の魅力のひとつだね。
紅葉の葉の種類は大きく3つ!庭がなくても秋を楽しめる
紅葉は「カエデ属」に分類され、カエデの仲間です。
カエデとは葉の形が違い、紅葉の葉は切れ込みが深く、カエデの葉は切れ込みが浅いことが特徴ですよ。
種類は世界でも150種類以上あり、そのうち約30種類以上が日本に自生しています。
たくさんの種類がありますが、紅葉の葉は大きく3種類にわけられますよ。
イロハモミジ
イロハモミジは日本で最も多く見られ、紅葉の代表的な種類です。
発祥は太平洋側の暖かい地域で、四国から九州にかけて広範囲に分布されています。
葉の長さは6cmほどで、葉が3~7裂にわかれているのが特徴ですよ。
樹の高さは10mに満たず、庭木として親しまれているのです。
ヤマモミジ
イロハモミジによく似ていますが、葉の長さは7cmほどで、葉が7~9裂にわかれていますよ。
北海道と青森から福井県までの日本海側の寒い地域に広く分布されています。
日当たりがよく、昼夜の寒暖差が大きい場所に自生するので、葉の色づきが美しいことが特徴です。
オオモミジ
オオモミジはイロハモミジの変種で、太平洋側の標高が高い場所に自生しています。
葉の長さは10cmほどで、葉が5~9裂にわかれていて、ギザギザが規則的に並んでいますよ。
イロハモミジやヤマモミジより葉が大きいことが特徴です。
自宅におすすめの紅葉
紅葉の葉の種類は大きく分けると「イロハモミジ」「ヤマモミジ」「オオモミジ」の3種類あります。
紅葉の葉の種類は3種類からの変種もあり、園芸品種は120種類以上あるのです。
紅葉は基本的に丈夫な植物のため、どの地域でも栽培できますが、種類が多いと迷ってしまいますね。
地域ごとに生息している種類が違うため、環境に合った紅葉を選ぶこともおすすめですよ。
太平洋側はイロハモミジ系、オオモミジ系の紅葉、日本海側はヤマモミジ系の紅葉がよいですね。
- イロハモミジ系
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イロハモミジ系は、春の新芽が赤く「春紅葉(はるもみじ)」と呼ばれています。
代表的な種類は「出猩々(デショウジョウ)」です。
葉の色が春は赤く、夏は緑色になり、秋になると再び赤くなりますよ。
季節を通して、葉の色の変化を楽しむことができるのです。
- ヤマモミジ系
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ヤマモミジ系は寒い地域で自生しているため、丈夫で成長が早いことが特徴ですよ。
葉の形が変わったものが多く、代表的な種類は「青枝垂(アオシダレ)」です。
葉が細く、枝が垂れているのが特徴で、春はきれいな緑色、秋は黄色やオレンジに色づきますよ。
- オオモミジ系
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オオモミジ系もイロハモミジの変種のため、「春紅葉(はるもみじ)」として知られているのです。
イロハモミジ系とヤマモミジ系より葉が大きく、存在感がありますよ。
代表的な種類は「野村紅葉(ノムラモミジ)」です。
春の新芽は赤く、夏に緑色になり、秋に赤く色づきますよ。
紅葉は種類が多いので、葉の形や色の変わり方で選んでもいいね。
ここでおすすめの紅葉は「出猩々もみじ(信楽焼鉢)」です。
出猩々(デショウジョウ)は、春から秋にかけて葉の色が変わる様子を楽しめます。
こちらは高さ約15~20cmの盆栽で「簡単な育て方説明書」付きですよ。
根元の苔が和の雰囲気を出していて、土の乾燥も防いでいます。
まとめ
- 紅葉の葉が丸まるのは、葉が枯れている状態
- 紅葉の葉が丸まる原因は、葉焼け・水不足・害虫・うどんこ病などがある
- 紅葉を育てるポイントは5つある
- 直射日光を避ける
- 水をたくさん与える
- 害虫駆除をする
- 葉水で病気予防をする
- せんてい時期に気を付ける
- 秋に色が変わる葉は緑色の色素「クロロフィル」がなくなるため、光合成をしない
- 秋に変わる葉の色は3色にわけられる
- 葉が赤色になる「紅葉(こうよう)」
- 葉が黄色になる「黄葉(おうよう・こうよう)」
- 葉が赤茶色になる「褐葉(かつよう)」
- 紅葉の葉の種類は大きく分けて、イロハモミジ・ヤマモミジ・オオモミジの3つ
- 紅葉は庭がなくても鉢植えで育てることができ、自宅で葉の色づきを楽しめる
シンボルツリーとして一般的な紅葉ですが、庭がなくても鉢植えで育てられるのです。
紅葉は葉が枯れると丸まるため、環境を整えてしっかり世話をすると葉が枯れて丸まることを防げます。
葉が丸まることなく元気に育てると、自宅で紅葉の葉の「紅葉(こうよう)」を楽しむこともできますよ。
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