散歩をしていると、道端や公園などで麦みたいな雑草を見かけることはありませんか。麦に似ているので、食べられるのか気になりますよね。
麦みたいな雑草の正体は「ムギクサ」で、食べることはできません。
また、ムギクサのようなイネ科の植物には穂先に棘状の突起「ノギ」があり、犬にとって危険です。
この記事では、麦みたいな雑草「ムギクサ」の特徴を詳しく紹介していきます。さらに、ムギクサに似たイネ科植物5選の紹介と「ノギ」が犬にとって危険な理由も解説していきますよ。
植物に興味がある方やよく犬の散歩をする方は、参考にしましょう。
身近な植物の特徴を知ることで植物観察が楽しくなり、さらに愛犬を危険から守ることができますよ!
麦みたいな雑草の「ムギクサ」を紹介!特徴を解説♪
イネ科の植物の中でも特に麦みたいな見た目の雑草が、この「ムギクサ」です。
特徴的な見た目をしているので、気になっている方も多いのではないでしょうか。
そんな麦みたいな雑草「ムギクサ」の特徴について、これから解説していきますね。
ムギクサの特徴
ムギクサは、イネ科オオムギ属の雑草で、1~2年草、草丈は10~50cmほどです。
原産はヨーロッパですが、明治初期に日本に入り、その後日本で自生するようになった帰化植物ですよ。
現在では、本州~九州の草地や道端に広く生息しています。
見た目は、ビールの原料によく使われる品種「二条大麦」によく似ていると言われていますよ。
5~7月にかけて穂を出し、穂が熟すと全体的に茶色になり、まさに麦のような見た目に近づきます。
特にこの穂が熟した様子を見て、麦にそっくりだと思われる方が多いのではないでしょうか。
また上の写真をみてもわかるように、先端がかなり尖っていてトゲトゲしい見た目をしています。
この穂の先端にある、棘状の突起部分のことをノギといいますよ。
あとで紹介しますが、これが犬にとって危険な部分ですので、犬の散歩中は近寄らないように気を付けましょう。
麦みたいな雑草ムギクサは食べられない!
ここまで、麦みたいな雑草「ムギクサ」の特徴について紹介してきました。
雑草とはいえ麦の仲間なので、食べられそうだと思った方もいらっしゃるかもしれません。
ここからは、麦みたいな雑草ムギクサが食べられない理由を解説していきますね。
麦みたいな雑草ムギクサを食べることができない理由
先ほど麦みたいな雑草ムギクサは食べられないとお伝えしましたが、厳密には「食用には適さない」ということです。
ムギクサに毒性はありませんが、種子が非常に小さく、水にふやけないのでお米のように炊くことができないのが理由ですよ。
上記の理由から、ムギクサはあくまでも雑草のようです。
麦みたいな雑草のイネ科植物5選をご紹介!
ここからは、ムギクサ以外の麦みたいな雑草のイネ科植物について5選紹介していきます。
麦みたいな雑草は他にもたくさんあり、それぞれの植物に特徴があります。
麦みたいな雑草のイネ科植物の特徴を知って、植物観察の参考にしましょう。
イヌムギ
イヌムギは、イネ科スズメノチャヒキ属の植物で、多年草、草丈は40~100cmほどです。
原産は南アメリカで、日本には明治時代に牧草として導入されました。
日本全土に分布する植物で、道端や乾燥した草地に生息します。
5月~8月にかけて穂を出しますが、ムギクサのような鋭いノギはなく、穂は大きめで垂れ下がっているのが特徴です。
イヌムギという名前は、穀物として役に立たないことから付けられたと言われています。
カラスムギ
カラスムギは、イネ科カラスムギ属の植物で、1年草、草丈は30~100cmほどです。
原産はヨーロッパから西アジアにかけての地域で、日本には縄文時代に入ってきたと言われています。
本州~沖縄に分布する植物で、道端や荒廃地に生息しますよ。
5~7月にかけて穂を出し、90度に折れ曲がった穂先と長いヒゲ状のノギが特徴です。
カラスムギという名前は、人間は食べずカラスが食べる麦であることから付けられたと言われています。
ネズミムギ
ネズミムギは、イネ科ドクムギ属の植物で、1~2年草、草丈は30~100cmほどです。
原産はヨーロッパで、日本には明治時代に緑化や牧草のために導入されました。
全国に分布する植物で、乾燥した草地に生息します。
6~8月にかけて穂を出し、茎の左右交互に穂をつけた姿と1cm程度のノギが特徴です。
カモジグサ
カモジグサは、イネ科エゾムギ属の植物で、多年草、草丈は40~100cmほどです。
日本全国に広く分布する植物で、道端や空き地に生息します。
5~7月にかけて穂を出し、穂の先からは長いノギが出ていますよ。
穂は垂れ下がっており、青紫色を帯びているのが特徴です。
カニツリグサ
カニツリグサは、イネ科カニツリグサ属の植物で、多年草、草丈は40~70cmほどです。
北海道~九州にかけて分布する植物で、道端や草地などに生息します。
5~6月に穂を出し、穂先は二股に分かれており、細く長いノギが特徴です。
カニツリグサという名前は、子どもがこの草を使ってカニを釣る遊びをしていたことから付けられたと言われています。
麦みたいな雑草は犬にとって危険!?その理由も解説
ここまで、麦みたいな雑草「ムギクサ」の特徴やイネ科植物5選を紹介しましたが、それぞれの特徴とともに穂先にある棘状の突起部分「ノギ」のことも紹介しました。
ここからは、犬にとってノギがいかに危険なのかを解説していきます。
犬の体内にノギが入り込んでしまうと、炎症を起こし、最悪の場合手術で取り除く必要がありますよ。
そうならないためにも、愛犬を危険から守っていきましょう!
ノギが犬にとって危険な理由
ノギが犬にとって危険な理由は、気づかないうちに体内に入り込む可能性があるからです。
前述のとおり、ノギとは穂の先端にある棘状の突起部分のことですよ。
ムギクサなどのイネ科植物はどこにでも生えているので、知らないうちに散歩中に毛にからみついたり、足にささったり、耳の中に入り込んだりします。
一度体内に入り込んでしまったノギは、どんどん皮膚の中に潜り込んで皮膚が炎症を起こし、化膿してしまいますよ。
そうなると、動物病院で取り除くしかなくなります。
もし、犬がしきりに体の一部を舐めていたり、触ると痛がるようなそぶりを見せる場合は、動物病院で診てもらいましょう。
最悪の場合、命にかかわるのでイネ科の植物を見かけたら注意が必要です。
散歩をするときは、犬を危険から守るためにもなるべく雑草には近寄らないようにしましょう。
まとめ
- 麦みたいな雑草の正体は、二条大麦に似ている「ムギクサ」である
- 麦みたいな雑草「ムギクサ」が食べられない理由は、種子が非常に小さく水にふやけないためである
- 麦みたいなイネ科の雑草5選は、「イヌムギ」「カラスムギ」「ネズミムギ」「カモジグサ」「カニツリグサ」である
- イネ科植物の棘状の突起部分のことをノギといい、犬の体内に入り込むと動物病院での処置が必要となる
春から夏にかけて、イネ科の植物は成長していきます。
この記事で紹介した植物は日本全国で見られるものが多いので、実際に観察してみるのも楽しいですね。
ただし、犬を連れて散歩をするときはくれぐれも「ノギ」に注意しましょう。
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