妊娠中に「血圧が高い」と診断されると「食べ物で簡単に下がる方法はないかな?」と思われる方も多いのではないでしょうか。
実は、妊娠中に血圧を下げる食べ物は、「カリウム」を含むものです。
バランスよく取り入れることで、妊娠中に血圧が上がることを抑える効果が期待できます。
妊娠中に血圧が高くなると、「妊娠高血圧症候群」を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
妊娠高血圧症候群は母体に腎不全や心筋梗塞、脳卒中など様々な障害が発生する可能性があります。赤ちゃんにも重大な影響があります。
この記事では、妊娠中に血圧が上がった場合、食べ物で血圧が下がる方法や、摂取したい栄養素と食事のポイントをご紹介します。
妊娠中の血圧を下げる場合に効果的な食べ物は?

妊娠中の血圧を下げる効果のある食べ物は「カリウム」を含む食品を取り入れることが効果的です。
また、「妊娠高血圧症候群」の予防にも役立ちます。
ここでは、血圧を下げるために意識して食べていただきたい食品をご紹介しますね。
血圧を下げたい場合に摂り入れたい食べ物
「カリウム」は、血圧を下げることに効果が期待できる栄養素のひとつです。
カリウムとは、人間に必要とされるミネラルの一種ですよ。体内で吸収された塩分(ナトリウム)を、体外に尿として排出させる働きを持ち、塩分を調節する働きをします。
カリウムを多く含んでいる食材はたくさんありますので、積極的に取り入れていきましょう。中でも「海藻類・アボカド・切り干し大根・ドライトマト」には非常に多く含まれています。
妊娠中にぜひ食べていただきたいカリウムを含む主な食べ物には、下記のような食べ物があります。
- 野菜類:ほうれん草、モロヘイヤ、枝豆、かぼちゃ、アスパラガス、玉ねぎ、トマト、きのこ
- いも類:さつまいも、干しいも、じゃがいも
- 乾物類:切り干し大根、ドライトマト、干ししいたけ、にぼし、ひじき
- 海藻類:こんぶ、わかめ
- 魚介類:アジ、サバ
- 発酵食品:納豆、キムチ
- フルーツ類:アボカド、キウイ、バナナ、メロン、干し柿
野菜ジュースは、野菜そのものを食べる場合に比べると栄養素は少ないので、あくまでも補助食品として利用しましょう。
野菜ジュースを選ぶ際は、砂糖の入っていないものがおすすめです。
妊娠中の血圧が高いと怖い【妊娠高血圧症候群】とは!?

「妊娠高血圧症候群」とは、妊娠中に血圧が高くなることで高血圧になる病気です。
昔から「妊娠中毒症」と呼ばれているのも同じですよ。
妊娠高血圧になると、脳出血やくも膜下出血などを起こしやすくなります。また、赤ちゃんにも影響があるため注意が必要です。
「妊娠高血圧症候群」になるとキケン!?
妊娠中の血圧正常値は、「最高血圧が120mmHg未満」「最低血圧が85mmHg未満」です。
血圧が「140mmHg以上」「最低血圧が90mmHg以上」になると高血圧とされますので注意が必要ですね。
「妊娠高血圧症候群」は、主に下記の4種類に分類されます。
- 妊娠血圧症
- 妊娠高血圧腎症
- 加重型妊娠高血圧人証
- 高血圧合併妊娠
妊娠前は高血圧ではなかった方も、妊娠することで発症してしまう可能性があるので注意しましょう。
「妊娠高血圧症候群」になる原因はわかっていませんが、母体が赤ちゃんに対して酸素や栄養を補給することがうまくできない状態と考えられています。
重症化すると、子癇(しかん)(けいれん発作をおこす)や肝機能障害・腎不全・脳出血などを発症することもありますよ。
また、妊娠高血圧症候群は、母体と共に赤ちゃんにも大きな影響を与えるのも特徴です。おなかの中で血液の流れが悪くなることで下記のような影響を与えます。
- 胎児発育不全・・・赤ちゃんへの栄養や酸素が不足になる
- 常位胎盤剥離・・・赤ちゃんの動きが悪くなってしまうと胎盤が剥がれる
- 胎児機能不全・・・赤ちゃんの機能状態が悪くなる
ときには、赤ちゃんの命を落とすこともあるので非常に危険です。
自覚症状はある?どのような治療法がある?
「妊娠高血圧症候群」は、自覚症状がほとんどないため、妊婦健診を受けた際に初めて気づく方も多いようです。
吐き気やおなかの痛み、体重減少、目がチカチカするなどの症状がまれに出る場合もあります。
症状が出た際は、また別の病気(HELLP症候群)が疑われますので、早めの受診がおすすめです。
しかし、妊娠中は血圧を下げる薬(降圧剤)の服用はおすすめできません。
なぜなら、母体の血圧が下がると赤ちゃんに栄養が届かなくなるため、母子ともにかなりのリスクが伴うからです。
降圧剤の使用は、担当の医師の指示にて判断されますよ。
「妊娠高血圧症候群」の根本的な治療法は無く、基本的には安静にすることです。
軽度の高血圧なら通院での経過観察になりますが、重症の場合は、妊娠を終わらせることもあります。
赤ちゃんが小さくても、早期に出産させることで症状が治まることがほとんどです。促進分娩や帝王切開などで出産します。
妊娠中に血圧が上がる場合は食事で改善できる!!

妊娠中に血圧が上がらないように予防するには、食生活を改善することが重要です。
カリウムを含む食品を選んで毎日の食事に取り入れるとよいでしょう。
睡眠や休養をしっかり取ることで、生活を改善することができるのでおすすめです。
血圧を下げる食事のポイント
血圧を下げる食事のポイントとして、塩分の過剰摂取を控え、カリウムを含む食品を摂り入れることがおすすめです。
カリウムはナトリウムを排出する役割があるので、血圧の高い方は摂り入れたい栄養素のひとつになります。
ナトリウムは、健康な体であれば問題もありませんが、摂りすぎると高血圧になるので、妊娠中は注意が必要です。
妊娠中は「鉄・カルシウム・マグネシウム」も不足しがちのためしっかり摂りましょう。
マグネシウムは、血圧を下げる薬(降圧剤)に似た作用があるとされており、ナッツ類に多く含まれています。間食などで手軽に取り入れることができますね。
また、献立を考えるときは、主に和食中心がおすすめです。
主食のご飯と肉や魚の主菜、副菜には野菜を1~2品プラス汁物にすると自然にバランスの取れた献立になりますよ。
調理の際には、味付けや調理方法にも注意が必要です。砂糖や醤油などの調味料でしっかり味つけをすると、塩分の取りすぎになってしまいます。
なるべく薄味でカツオや煮干し、こんぶ等のおだしのきいた味付けにして減塩を心がけましょう。
妊娠中の血圧は【塩分】をコントロールすることがカギ!

血圧を上げてしまう食べ物は、ズバリ塩分の高い食品です。
妊娠中の1日の塩分摂取量は「6.5g」とされていて、塩分を摂りすぎると高血圧はもちろん、むくみや血流が悪くなってしまいます。
しっかり塩分をコントロールすることで、血圧が上がる状態を防ぐことが可能のため、これから注意点をご紹介していきますね。
塩分過多になる食品には注意しましょう!
塩分が多く使われている食品は、普段食べている物の中にたくさんあります。主に塩分の高い食べ物として以下のものが挙げられますよ。
- 「ウインナー・ハム・ベーコン」などの加工食品
- 「ちくわ・はんぺん」など練り物食品
- 「カップ麺・スナック菓子」など
どれも手軽に食べることができますが、意外に塩分は多いものです。
「おやつをガマンするのは無理!」と思われる方は、加工食品やおやつも1日に食べる量を決めて食べるようにしましょう。
また、できるだけ加工していない肉や魚を摂取することで減塩につながります。食事の減塩にするポイントは下記の5つです。
- 新鮮な食材で素材の味や風味を生かす
- お酢やレモンなど酸味やうま味を効かす
- 麺類の汁はできるだけ残す
- 調味料は食材に少しずつ付けるだけで食べる
- おだしをしっかりと効かせた調理法で薄味にする
減塩を心がけるのは大切ですが、全く摂取しないのも血液の循環に支障がでます。
適度に摂取しつつ、しっかりカリウムを摂取することで、塩分(ナトリウム)の排出を促すようにしましょう。
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こちらは塩分不使用の野菜スープのため、妊娠中でも安心して摂取することができます。
味も「にんじん・かぼちゃ・パプリカ&大豆&トマト・ミネストローネ」の4種類あるので、嬉しいですね♪
体調が悪いときでも電子レンジで90秒でできるので簡単に準備できるのも助かります。
まとめ

- 妊娠中に血圧を下げる食べ物は、カリウムを含む食材を積極的に摂取する
- 飲み物は水とお茶を中心にし野菜ジュースなども砂糖入りを避けたものがおすすめ
- 「妊娠高血圧症候群」を発症し重症になると母子ともに危険になる場合もある
- 妊娠中の血圧を下げるには、塩分や脂質を控えめにし食生活を見直すことで改善と予防に役立つ
- 血圧を上げないためには、塩分をコントロールすることが大切
- 加工食品や練り製品なども塩分が多くなるので、なるべく控える事がおすすめ
妊娠中に血圧が上がらないようにすることは、体重をコントロールすることよりも大変なことです。
しかし、完璧主義になりすぎてストレスを感じるまでになってしまうと、血圧も上がることがあります。
体調がすぐれないときは、無理せず市販の食べ物を利用しましょう。
その際には、塩分表示などに気を付けて選ぶことをおすすめします。食事内容を改善することで、妊娠中だけでなく生涯の健康維持につながります。
無理なくリラックスして妊娠生活を過ごしましょう。
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