お正月の行事っていつから始まったのかな?
お正月の歴史は非常に古く、いつからお正月が始まったのかについては諸説がありますが、奈良時代から平安時代には朝廷で年始を祝う宴会が行われていたようです。
お正月行事のひとつひとつには由来や意味がありますよ。
お正月の意味を理解することは、のちの世代に正月の風習を伝えていくためにも重要であるといえます。
なんとなく一年のスタートをきったり、子どもからお正月に関する質問をされたときに、あいまいな返答や説明をしてしまったりということは避けたいですよね。
この記事では、日本人が大切にしてきたお正月は一体いつから始まったのか、そのルーツやお正月の意味、由来を解説します。お正月の知識を一緒に深めましょう♪
お正月はいつから始まった?由来や歴史を解説!
歴史が非常に古いお正月ですが、奈良時代から平安時代には朝廷で、新年を祝う豪華な宴(うたげ)が年中行事として行われていたようです。
お正月は、この頃には存在していたということになりますね。
では、お正月はいつから始まったのでしょうか。また、お正月とはどのようなものだと考えられてきたのでしょうか。その内容について、詳しく見ていきましょう。
お正月とは「年神様をお迎えする日」
お正月とは一年のはじまりを祝う日だと思っている方も多いでしょう。しかし、本来は違う意味もあるのです。
お正月とは【新年の神様である年神様(としがみさま)が家庭にやってきて1年の幸せを運んできてくれる日】とされています。
年神様をお迎えして、「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」「無病息災」「長寿」「家内安全」など、新しい一年の幸せや健康を祈るのが本来のお正月です。
「五穀豊穣(ごこくほうじょう)」の「五穀」は米、麦などの五種類の穀物を表し、「豊穣」は農作物が豊富に育つことを言いますよ。
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お正月の歴史
お正月はどのようにして始まったのかな?!
お正月の歴史をまとめてみました。早速みていきましょう。
【弥生時代】
狩猟の生活から稲作などの農耕が中心の社会へと移行し、米を食べるのが一般的になる。
農耕は気象の影響を大きく受けるため、これまで以上に自然の恵みに感謝するようになる。
もともと現在のお盆のように先祖を供養する風習があり、それに加えて神様に収穫物の報告や感謝、お供えをして次期の豊作を祈る風習が、行事として定着する。
神様は五穀豊穣を授けてくれるとも考えられ、その土地でとれた新米やあわ・きび・海産物などを供えて、ていねいにお迎えをするようになる。
仏教の普及の影響で、季節の変わり目を「節」として区切り、この節に合わせて行事が行われた。
お正月がいつから始まったかについては謎も多いようで、詳しくは解明されていませんが、一説ではこれが【おせち】の原型とも言われています。
「お正月がいつから始まった?」という問いに答えるとすると「弥生時代」という答えが近いでしょうか。
「神様からたくさんの幸福を授けてもらいたいという想いからお正月がはじまった」というお正月の意外なルーツは、私自身も初めて知りました。
【奈良時代から平安時代】
日本の朝廷(現在でいう政府)では節目にあたる日を「節句」としており、年間でさまざまな節句が存在していた。
神様に向けて長寿を願い、収穫の報告や感謝、一年の豊作を願いお供えをする日は節会(せちえ)と呼ばれ、朝廷では宴会が開かれていた。
宴会では縁起が良い料理として【お雑煮】がふるまわれていた。
「五節会(ごせちえ)」と呼ばれる1月1日を含む五つの節会が、特に重要とされていた。
神様にお供えをして食べるものを「お節」と漢字で書いて【おせち】と呼んでいたが、次第に【御節供(おせちく)】と呼ばれるようになった。
当時のおせちは、現在のように料理がさまざま詰まった重箱ではなく、ご飯を山盛りにしたものなどが器に高く盛られていた。
【江戸時代】
「五節会(ごせちえ)」が幕府(武士)の公式行事になり、祝日と定められる。
節句の中でも1月1日は特に重要な日と考えられるようになる。新しい年のお祝いが行われるようになり、庶民にもおせちやお雑煮を食べる風習が広がる。
門松やしめ飾り、鏡餅などのお正月飾りを飾る風習が、庶民の間で一般的に行われるようになる。
【明治時代】
終戦後にデパートで見栄えのよい重箱におせち料理を詰めたものが販売される。これがきっかけで、おせちを重箱に詰めるかたちが一般的になったと言われている。
正月の歴史って深いんだね!
うん!お正月の歴史的な背景を知ると面白いね!
現代のお正月というと、新しい一年のはじまりを祝うものになっていますが、本来は私たちの生活に関わるさまざまな幸せを願うために、年神様をお迎えする日なのです。
「お正月がいつから始まったのか」なんて考えたこともなかったという方も、お正月行事の由来や意味を知って「なるほど!」と思われたのではないでしょうか。
お正月の行事は弥生時代に行われた先祖の供養、神様へ向けた収穫の報告や感謝、一年の豊作を祈る儀式が始まりなのですね。
昭和20年頃までは、誕生日に年を重ねるのではなく、1月1日に全員が同時に年を重ねていたのをご存じですか。
一年のはじまりを祝うだけでなく、無事に歳を重ねられたことも含めてお祝いをしていました。
お正月は年を一つ重ねて、運気を更新する、という大切な節目だと考えられていたのです。
お正月はいつからいつまで?お正月の伝統的な過ごし方
お正月っていつからいつまでのことを指すの?
たしかにお正月の期間って決まっているのかな?
古くから受け継がれてきた日本のお正月ですが、お正月とはいつからいつまでのことを指すのか、わからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、お正月の由来や過ごしかたを、代表的なお正月の風習とともにお伝えしますね。
最後まで読むと、お正月の過ごしかたの意識が変わりますよ♪
お正月の期間は1月1日~1月7日まで
一般的には、1月1日~1月7日までの期間をお正月とし、「松の内」と呼んでいます。
この「松の内」を地方によっては1月1日~1月15日としているところもあり、一概にお正月は「この日まで」と言い切ることは難しいのです。
また、1月1日~1月3日を三が日(さんがにち)と呼びます。
「元日(がんじつ)」と「元旦(がんたん)」どちらも1月1日のことを言いますが、違いはご存じですか。
「元日」は1月1日のことを、「元旦」は1月1日の午前中を指します。両者は、厳密には意味が異なるのです。
お正月を迎えるための特別な料理や飾り
お正月が近づくと、正月飾りや正月料理などお正月を迎える準備をします。
お正月のお祝いは、明治時代から江戸時代にかけて一般的になりました。
ここからは、お正月を迎えるための特別な飾りや、伝統的な正月料理をいくつかご紹介していきます。
【お節(おせち)】
「めでたいことを重ねる」「福を重ねる」という意味で、重箱に詰められます。
「かまどの神様を休ませる」という意味で、作り置きができるものが中心です。
神様への感謝をあらわし、一年の無病息災を願ってさまざまな【縁起物(えんぎもの)】が詰められます。
【縁起物】とは、幸福をもたらすと信じられているもののことです。
重箱は地域によっては四段重ねところもありますが、現代は三段重ねが主流です。
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無病息災の願いとともに、美味しいおせち料理を楽しめます。
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おせち作りの準備から楽しい時間を過ごすことができそうですね♪
【年越しそば】
年越しそばは、年越しの大みそか(12月31日)に食べられます。
年越しそばは江戸時代、商売をしている家庭では忙しい月の末日にそばを食べる習慣がありました。その名残りで年越しそばを食べるようになった由来とも言われているのです。
他にもそばの麺は細くて長いことから、そばのように「長く元気にすごせるように」という長寿を願う想いで、食べられるようになったという説も幅広く知られています。
最近は「人生100年時代」とも言われていますが、江戸時代では約50歳が寿命だったとも言われていますよ。やはり長く生きたいという想いは強かったのではないでしょうか。
また、そばの麺は歯切れがよいことから、「一年の苦労や災いが断ち切れるように」という意味合いが込められています。
この意味合いから、年末の定番メニューとして年越しそばが多くの人に食べられているのでしょう。
【お雑煮】
お雑煮は、「いろいろな具材を混ぜて煮たもの」という語源が一説にはあります。現代も親しまれているお正月の定番料理ですね。
奈良時代から平安時代ごろのお祝いの宴では、縁起がよい料理として、最初にお雑煮がふるまわれていたそうです。
当時、神様にお供えした餅や野菜を煮込んで食べられており、お雑煮はおめでたい日に食べられる料理とされていました。
お雑煮には餅のほかに里芋、人参、大根、しいたけなどの具材が入っていますが、汁の味付けや具材は地域によってそれぞれ特徴があります。
また、具材にはそれぞれ意味が込められているのです。
お餅はよく伸びるため「長生きの象徴」、里芋は子芋を多くつけるため「子孫繁栄」、人参は赤色であることから「魔よけ」などですよ。
【門松(かどまつ)】
門松とは、竹や松で作られた正月飾りです。幸せを運んでくれる神様が迷うことなく家にいらっしゃるよう、玄関の前に飾る目印のようなものです。
松は冬でも枯れず緑色なことから生命力の象徴を表し、竹はまっすぐ伸びることから「長寿繁栄」の願いが込められています。
もともとはシンプルに松だけを飾る「松飾り」でしたが、室町時代に入ると松に加え「長寿」を象徴する「竹」も一緒に飾られるようになったそうです。
【鏡餅(かがみもち)】
お正月に年神様をお迎えするときは、「居場所」が必要です。年神様がお正月の期間に宿るとされているのが鏡餅です。
鏡餅は、平安時代に書かれた「源氏物語」の中に「鏡餅」が記載されているため、それより以前にはすでに存在していたと考えられます。
鏡餅を飾る場所に適しているのは神棚や仏壇、家族が集まるリビングなどの大切な場所です。
お正月が終わって下げた餅は、神様をお見送りするために【鏡開き】を行います。地域によって異なりますが、1月11日に行うのが一般的です。
下げたお餅は神様の生命が宿った神聖な供えものですので、包丁を入れるのはご法度です。
木づちなどで叩いて割り、「無病息災」を願いながら雑煮やおしるこにしていただきましょう。
【しめ飾り】
しめ縄は、もともとは邪気を払うもので、現代で見られるような装飾はついていませんでした。
「子孫繁栄」や「長寿」「開運」などの願いが込められた縁起物の飾りを合わせてつけるようになり、現代のようなしめ飾りが一般的になりました。
太陽を象徴した真ん中のミカンも、柑橘(かんきつ)類でかんきつの「きつ」が「吉」に通じている縁起物です。
神様が安心して家の中に入れるように、玄関や神棚、柱などの高い位置に飾るのがよいですね。
【初詣(はつもうで)】
自宅では年神様を迎え、初詣ではその地域の神様に日頃の感謝の気持ちを伝えるとともに、一年の無事や健康をお祈りします。
参拝にいつまでに行かないといけないとの決まりはありませんが、「初詣」というと一般的には1月1日から1月3日までのことを指しますよ。
そのため、初詣の間に参拝を済ませるという方が多いようですね。
奈良から平安時代には、天皇は上皇へむけて、また下役は上役へむけて「年始の挨拶」が行われていたそうです。
また、江戸時代から明治時代には、初詣として神社に参拝する風習が都市部から広がっていきました。
「除夜の鐘」と呼ばれる鐘をつく風習もこの頃に浸透したようですね。
初詣では、神様に日頃の感謝や一年の健康を祈るだけでなく、達成したい目標を誓ったり、参拝後におみくじを引き、その内容を今後の自分に生かしたりするのもよいですね。
ここまでお正月のすごし方を代表的な風習とともに、いくつかご紹介しました。
神様への感謝の想いや多くの幸福を授けてもらいたいという願いから、さまざまな風習が誕生したことがわかりましたね。
では、次に年神様をお迎えする準備として欠かせない「お正月飾り」は、いつからいつまでにやり終えるとよいのかを解説していきますね。
お正月の飾りつけは12月13日~12月28日の期間に行おう
古くから「毎年12月13日はお正月に向けて準備を開始する日」とされていました。
このお正月準備が始められる日を【正月事始め(しょうがつことはじめ)】と言います。
お正月飾りは単なる装飾ではなく、家庭や職場に幸福と繁栄を招くための大切な儀式です。
そのため、お正月飾りを飾るのは、正月事始めである12月13日以降に行うのがよいでしょう。
逆にお正月の準備にふさわしくないとされている日は、12月29日と12月31日です。
12月29日は〈二重苦〉で『苦しみや困難が重なるため避けるべき』と考えられているため注意しましょう。
12月31日も〈一夜飾り〉と呼ばれ、新年を迎える直前に急いで飾りつけを行うことを意味します。
「歳神様に対して失礼」「誠意にかける」という意味合いでよくないとされているため注意しましょう。
最近は、クリスマスをすぎた12月26~27日ごろから飾り始めるのが一般的のようです。
12月28日は末広がりの「八」が入っており、縁起がよくて最適とされていますので、準備はこの日に行うとベストですね♪
お正月準備を行う日の最適な期間を知り、年神様をお迎えする気持ちを整えて、よい運気を呼び込みましょう。
正月が過ぎたら正月飾りはいつから片づける?
お正月飾りを片づける日は、一般的に1月7日以降が目安とされています。
この1月1日~1月7日(地域や家庭によっては1月15日)は【松の内】と呼ばれ、お正月期間とされているためです。
松の内を過ぎてもお正月飾りを飾るのは、縁起が悪いと考えられていますので、覚えておきましょう。
また、役目を終えたしめ縄や門松などの飾りを、翌年に使いまわすのはよくないという考えもあります。神様に失礼だという作法での意味合いからです。
処分する場合は、1月15日ごろまでにしましょう。お正月飾りは神聖なものですので、処分は神社で行うのが一般的です。
回収している神社があれば持参して、処分してもらいましょう。
しめ飾りについては、こちらの記事でもご紹介しています♪しめ縄のことを詳しく知りたいという方は、ご覧ください。
お正月はいつから掃除をすればよい?掃除NGな理由とは
「人が集まるから」「年末に終わらなかったから」「せっかくの長期休みだから」などの理由で、お正月に掃除をしようと思っている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、お正月の三が日は掃除を行うのはご法度だと言われていますよ。
その理由はなぜなのか、お正月の掃除はいつから始めるとよいのかを解説していきますね♪
お正月の掃除がNGな理由
お正月の掃除がご法度だと言われている理由は【お正月は年神様をお迎えする期間】とされているためです。
年が明けると、新年の神様である「年神様」がやってきます。福を運んでくれると言われている年神様は「鏡餅」を居場所として、しばらく家の中に滞在します。
「神様をお迎えしている期間は神様が居づらくなる」また、「掃除をするとホコリと一緒に福も外に追い出してしまう」というのが、お正月の掃除がご法度とされている理由です。
じゃあいつからなら掃除してもいいの?
お正月は1月4日から掃除してもOK!
お正月期間は1月1日~1月7日と認識されていますが、その期間ずっと掃除をしないのは無理がありますよね。
現在は「三が日である1月1日から1月3日を避け、1月4日から掃除をしてもよい」という考えが広く浸透していますので、そのようにするとよいでしょう。
お正月の三が日の間に掃除をしなくて済むように、年末の大掃除を頑張りたいですよね。
年末に大掃除を行う風習が一般的にいつから始まったかというと、一説では江戸時代のようです。
当時はかまどや囲炉裏(いろり)、ろうそくなどの灯りを使っての生活でした。
煙や炎から出た多くの「すす」が家の中についており、この「すす」を払って掃除をしたことから【すす払い】と呼ばれていました。
この「すす払い」は、毎年「12月13日」に行われていましたが、現代のように便利な電化製品があるわけではありません。当時の掃除は困難なものだったろうと想像できるでしょう。
しかし、当時の人々にとって、すす払いは「掃除」という認識ではなく、神様を迎えるための神聖な行事だと考えられていたそうですよ。
本来の大掃除の意味は「年神様を気持ちよくお迎えするため」なのです。
ただ、自分が気持ちよく年を迎えるためだけに大掃除をするのではなく、そのような意味も込めて、ていねいに取り組みたいですね♪
まとめ
- 【新年の神様である年神様を迎えて一年の幸せや健康を祈ること】が本来のお正月である
- お正月の行事は弥生時代に行われた先祖の供養、神様へ向けた収穫の報告や感謝、一年の豊作を祈る儀式が始まりである
- 「神様への感謝の想いや多くの幸福を授けてもらいたい」という願いからさまざまなお正月の風習が誕生した
- お正月の期間は一般的に【1月1日から1月7日の期間】をさし『松の内』と呼ばれ、その期間、私たちのもとに年神様が滞在すると考えられている
- 【正月事始め】と呼ばれる12月13日は、お正月の準備をはじめるのに適している日である
- お正月の掃除がご法度の理由は「お迎えしている年神様が居づらくなるから」「年神様が運んできた福も外へ追い出してしまうから」この2つが理由である
- 特にお正月の三が日と呼ばれる1月1日から1月3日は、掃除は控えた方がよい
- 本来の大掃除の意味は「年神様を気持ちよくお迎えするため」である
「お正月がいつから始まったのか」「お正月はいつからいつまでなのか」「お正月の掃除NGの理由」など、お正月にまつわる疑問について解説をしました。
お正月がいつから始まったかは多くの謎が残っていますが、お祝いのかたちを変えながらも、幸せを願う想いは変わらないまま、受け継がれてきたことがわかりますね。
新しい一年のはじまりを祝うだけでなく、神様や周囲の人、そして自分に今あるすべてのものに感謝の気持ちを込めて、お正月を過ごしてみましょう。
現代は新しく年があけると「新年はおめでたい」「新しい一年が始まった」などと、新しい一年のはじまりという意識が強く、お正月はイベント化してしまっているとも言えます。
昔のようなお正月の光景を見かけることも減りましたが、私たちが古くから受け継いできた想いをお正月の行事を通じて、のちの世代に伝えていけるとよいですね。
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