仮装パーティとして知られているハロウィンですが、怖いイメージがあるものばかりで「怖いお祭り?」と感じますよね。
ハロウィンの由来は、古代ヨーロッパで行われた「サウィン(Samhain)」という秋の収穫祭と悪霊を追い払う儀式から始まり、日本でいうお盆に似た行事で、怖いだけではありません。
仮装は魔除けの意味があることから、魔女や悪魔、お化けといった怖いものが定番となっています。
街中で盛り上がっている様子は少し苦手のため、ハロウィンにはあまり興味ないと思う人もいますよね。
ハロウィンの由来を知ると、仮装のイメージしかなかった人も違う楽しみ方が見えてきますよ。
ここでは世界5ヶ国のハロウィンの過ごし方と仮装以外の楽しみ方おすすめ3選をご紹介します。
ハロウィンの由来には怖いお話がある?
「ハロウィンは楽しいけど、仮装や飾りとか怖いのはどうして?」と感じますよね。
ハロウィンの由来が怖いと言われる理由は、起源をたどると少し怖いお話からきてますよ。
怖いお話といっても怪談話のような怖さではないので、安心してくださいね。
ここではハロウィンの起源とよく聞く「トリック・オア・トリート」「ジャック・オー・ランタン」のお話を紹介します。
起源はヨーロッパ
ハロウィンの起源は、古代ヨーロッパのケルト人が行っていた「サウィン(Samhain)」という、秋の収穫を祝うとともに悪霊を追い払う儀式であるといわれています。
古代ヨーロッパのケルトでは、10月31日は1年の終わりの日であり、先祖の霊が現世に戻ってくると信じられていましたよ。
日本でいうお盆・秋祭り・大晦日を一緒に行うようなものですが、お盆の要素が強く感じられますね。
日本のお盆と違うところは、先祖の霊とともに魔女や悪魔などの悪霊もやってきて、作物や家畜に害をあたえ、人間にとり憑いて死者の世界へさらっていくと言われていました。
ハロウィンで仮装をするのは、悪霊から身を守るためです。悪霊に人間だと気付かれないために同じ姿に変装したのが始まりですよ。
ケルト人は「ハロウィン」とは呼んでいませんでした。「ハロウィン」と呼ばれるようになったのは、キリスト教が関係しています。
11月1日は、キリスト教での祝日「All Hallow`s Day(オール・ハローズ・デイ)」といいますよ。
その前日の10月31日は「All Hallow`s Even(オール・ハローズ・イブ)」となり、これが省略されて「ハロウィン」と呼ばれるようになりました。
「トリック・オア・トリート!(Trick or Treat!)」の意味とは
トリック(Trick)は「いたずら」、トリート(Treat)は「おもてなし」などの意味があります。
「トリック・オア・トリート!(Trick or Treat!)」は直訳すると、「いたずらされる」か「もてなす」かということから、「お菓子をくれないといたずらするぞ!」となりますよ。
お菓子を配るのは、悪霊に「お菓子をあげるから元の世界に帰ってください」とお願いして追い払うという意味があります。
ヨーロッパの「ソウリング(souling)」という、日本の弔問(ちょうもん)のような儀式が由来しているといわれています。
裕福な家で誰かが亡くなると、その家へ行き亡くなった人に祈りをささげますよ。お返しにその家の人から「ソウルケーキ」というお菓子をもらいます。
子どもたちに「トリック・オア・トリート!」といわれたら「ハッピーハロウィン!」と返してお菓子をあげましょう。
ジャック・オー・ランタンのお話
ハロウィンの定番であるかぼちゃの飾りは、「ジャック・オー・ランタン(ランタンを持った男)」といいます。
悪霊を遠ざけながら、先祖の霊が迷わず帰ってくるために、家の玄関前や窓際に飾るといわれていますよ。日本でいう「迎え火」のようなものですね。
ジャック・オー・ランタンといわれるのは、アイルランドのおとぎ話に由来します。
悪いことばかりしていたジャックは生前、自分の魂を狙った悪魔をだまして、悪魔と「永遠に魂を取らない、死んでも地獄には落とさない」という契約を結びます。
死後、生前の悪行のせいで天国へ行けず、仕方なく地獄の門へ行くと悪魔が「お前とは契約をしたから地獄へは入れない」と言われました。
地獄へも行けず行き場を失ったジャックは、暗闇の中、悪魔にお願いして炎のかけらをもらい、くり抜いた「カブ」に火を灯してランタンを作りました。
ジャックは今も「カブのランタン」を持って暗闇をさまよい続けているといわれています。
ジャック・オー・ランタンのもとは「カブ」だったの!?
アメリカに伝わったときには、「カブ」はあまり出回っていなかったんだよ。
「カブ」より入手しやすかった「かぼちゃ」を使ったことが定着したんだね!
ハロウィンの由来を子供向けに説明する方法
子供も楽しみなハロウィンなので、しっかり由来を教えてあげたいけど、そのまま伝えても難しいですよね。
そのまま伝えると「悪魔」「おばけ」など、怖いイメージが強くなってしまい「ハロウィンって怖い!」と思ってしまいますよ。
ここでは子供向けに、わかりやすく楽しみながら「ハロウィン」を説明する方法をご紹介します。
絵本で伝える
幼稚園や保育園では、紙芝居やペープサートで楽しく伝えているようですが、家庭では絵本で伝えるとよいですよ。
今ではハロウィンにまつわる絵本が年齢別にたくさん出版されています。ここでおすすめの2作を紹介しますね。
0歳~3歳向けにおすすめの絵本は「ハロウィンのかくれんぼ」です。
大人気の「かたぬき絵本シリーズ」で、穴の開いたページをめくるとハロウィンにちなんだ絵があらわれる仕掛け絵本です。
「なにかな?なにかな?」と問いかけながら親子で楽しめますよ。
英語も表記されているので、遊びながら英語にふれられます。
4歳~7歳向けにおすすめの絵本は「ハロウィーンってなあに?」です。
魔女のビビがおばあさんにハロウィンの由来をわかりやすく教えてもらうお話です。
絵本を読み進めていくと、ハロウィンの過ごし方を知ることができます。
かぼちゃのランタンの作り方やかぼちゃタルトのレシピ、仮装の仕方なども載っているので、読んだあとも楽しめる絵本ですよ。
ハロウィン料理で楽しむ
ハロウィンには「秋の収穫祭」という意味もあります。収穫祭にちなんで「食べ物に感謝をする日」と伝えるのもおすすめですよ。
食べ物に感謝しながらハロウィン料理を一緒に作ったり食べたりするのも楽しいね。
ハロウィンの由来で意味を知ると楽しみが増える!
日本のハロウィンはたくさんの人が仮装をして街中を歩いたり、大騒ぎしたりしている様子をテレビなどでよく観ますよね。
ハロウィンは仮装パーティのイメージが強くなっていますが、由来を知るとさまざまな楽しみ方があることがわかります。
ここでは他の国ではどう過ごしているのか、自宅でもハロウィンを楽しめるおすすめの方法をご紹介します。
世界のハロウィン
- アイルランド(ハロウィン発祥の地)
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発祥の地であるアイルランドには、ハロウィン休暇があります。10月の最終月曜日は「バンクホリデー」といわれ、学校や会社がお休みになりますよ。
20日くらい前から街中がハロウィンの雰囲気になり、休日には出店がならびます。仮装をしたり、家を飾ったりと街中で盛り上がりますよ。
ミースでは「スピリッツ・オブ・ミース・ハロウィン・フェスティバル」が開催され、おばけ屋敷や舞踏会などが行われます。
ロンドンデリーでは、世界最大規模の「バンク・オブ・フォイル・ハロウィンカーニバル」が開催されますよ。
伝統的な食べ物として「バーンブラック」というレーズンなどのドライフルーツやクルミが入ったケーキを食べます。
バーンブラックの中に指輪やコイン、ボタンなどを入れて出てきたもので運勢を占っていました。
指輪が出てきた人は「結婚が近いか恋愛がうまくいく」、コインが出た人は「お金持ちになる」などです。
「コルキャノン」というマッシュポテトにゆでたキャベツやケールをくわえた料理も定番ですよ。
伝統行事として、「ダックアップル」という「リンゴ食い競争」があります。水を入れたタライにリンゴを浮かべて、手を使わずに口でくわえるというゲームです。
「スナップアップル(吊るしたリンゴを口で取る)」というものもありますよ。
おもちアイルランドではリンゴもハロウィンには欠かせないものです。
11月1日の収穫祭「ポーモーナー(ポモナ)祭」に由来しています。
「ポーモーナー」はローマ神話に登場する「果実の女神」でリンゴがシンボルになっていますよ。
- アメリカ
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アメリカのハロウィンの由来は、飢餓(きが)のためアメリカに移住したアイルランド人が「サウェン(Samhain)」を持ち込んだことから始まりました。
クリスマスの次に盛り上がる大きな行事であり、仮装や家の装飾、子どもたちが「トリック・オア・トリート」と近所を周るのは定番ですよ。
アメリカ最大のイベントは、ロサンゼルスのウエストハリウッドで開催される「ウエスト・ハリウッド・ハロウィン・カーニバル」です。
世界中から約50万人もの人が集まり、本格的なメイクや衣装でパレードに参加しますよ。
ロングビーチにある幽霊船で有名な「クイーン・メリー号」も大規模なハロウィンイベントが開催され、観光スポットとして人気があります。
おもちアメリカは、とにかく盛大に盛り上がるのが定番のようですよ。
- メキシコ
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メキシコはハロウィンとは別に10月31日から11月2日の3日間で行われる「死者の日」というものがあります。
「死者の日」は祖先の魂がこの世に帰るといわれ、死者とともに楽しい時間を過ごして、死者が満足して死者の世界へ戻るように祈る日なのです。
祖先のガイコツを飾る風習があったことから、至るところにカラフルなガイコツが飾られるようですよ。
「オフレンダ」というケイトウやマリーゴールドの花と、オレンジなどのフルーツで飾った祭壇を用意して、死者の魂を迎えます。
ディズニー映画の「リメンバー・ミー」で知っている人もいますよね。
11月1日は子どもの魂が帰る日、11月2日は大人の魂が帰る日とされていて、大規模なパレードが行われますよ。
よく食べられるものは「パン・デ・ムエルト=死者のパン」という、十字架の模様をしたパンに砂糖をまぶした菓子パンです。
おもち「死者の日」と「ハロウィン」は別の行事ですが、今では2つ一緒に開催する地域が多いようですよ。
- イタリア
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イタリアでは11月1日「諸聖人の日」、11月2日「死者の日」を大切にし、日本のお盆のように個人をしのぶ日として教会へ行きお墓参りをしますよ。
お供え物として「オッサ・デイ・モルティ=死者の骨」というビスケット、「パーネ・デイ・モルティ=死者のパン」があります。
フルーツをかたどった「フルッタ・マルトラーナ」というマジパンのお菓子もありますよ。
おもち名前は怖そうだけど、おいしいく伝統的なお菓子です。
イタリアでもハロウィンイベントはあり、アメリカ同様盛大に行われ、11月1日は祝日になるので、夜遅くまでにぎやかに過ごす人も多いようですよ。
- ルーマニア
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ルーマニアには「ブラン城」というドラキュラのモデルといわれるお城があります。ここでのイベントには世界中から観光客が訪れるようです。
「ブラン城=ドラキュラ城」とよばれる由来は、城に住んでいた「ウラド三世」が残忍な人物でドラキュラ伯爵のモデルになったからといわれています。
ブラン城のほかにも「ドラキュラ城」とよばれる古いお城がたくさんあり、それぞれのお城でもイベントが開催されていますよ。
美しい風景と幻想的な体験が楽しめるとドラキュラファンに人気があるようです。
おもちルーマニアのハロウィンは盛大なイベントはなく、装飾などの雰囲気を楽しむ程度のようですよ。
仮装だけじゃない楽しみ方
【秋の味覚を楽しむ】
ハロウィンは秋の収穫を祝うお祭りでもあるので、秋の味覚を楽しむのもおすすめですよ。
秋はかぼちゃの他にも食欲の秋というほど食材が豊富に収穫できる季節です。秋の味覚を味わうのも楽しいですね。
秋の食材を使った料理を作ったり、ファミレスやコンビニの秋フェアを食べ比べたり、果物などの収穫ツアーに参加するのもよいですよ。
【自宅を飾り付けする】
クリスマスに自宅をデコレーションする家をよく見かけます。ハロウィンも本場アイルランドでは自宅を飾って楽しんでいますよ。
今は100均でも簡単に取り外しができ、かわいいハロウィングッズが売っているので、手軽に飾り付けができますね。
ハロウィンカラーといわれる、オレンジと黒・紫を基調に飾ることも楽しいですね。オレンジは秋の収穫、黒・紫は悪霊や魔女をイメージしていますよ。
【映画を観る】
ハロウィンをイメージする映画を観ることもよいですね。本格的なホラーからホラーコメディ、ファンタジー系がおすすめですよ。
ここでおすすめの映画を紹介します。本格的なホラーは「とにかく怖いのが好き!」という人向けです。
ホラーコメディ・ファンタジーは「怖いのが苦手」「子どもも観たい!」という人向けです。
本格的なホラー
- ハロウィン
- 13日の金曜日
- エクソシスト
- ジョーカー
ホラーコメディ・ファンタジー
- リメンバーミー
- アダムスファミリー
- ゴーストバスターズ
- キャスパー
映画は家族や友達と一緒でも、ひとりでも楽しめるね。
まとめ
ハロウィンの由来を知ると、怖いイメージの仮装は身を守るためということがわかりましたね。
世界の過ごし方も参考にすると、ひとりでも、家族や友人たちと集まっても、さまざまな楽しみ方があります。
それぞれ自分にあった方法で、いつもと違う楽しみ方をしてハロウィンをお祝いしましょう。
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