気温・湿度共に高く、日差しも強い真夏のランニングでは、熱中症や脱水症状が起こりやすいことはご存じでしょうか。
熱中症や脱水症状は若い人でもなる可能性が高く、特にランニングなどの激しい運動をするときには十分な注意が必要です。
「秋のレースに向けて真夏にもランニングを続けたい、でも熱中症や脱水症状になるのは怖い・・・」という方もいらっしゃるかと思います。
たしかに、熱中症や脱水症状は悪化すると非常に危険なものですが、事前にしっかりと対策をしておけば予防することができますよ。
今回の記事では、そんな真夏のランニングにおける注意点と対策方法を解説していきます。また、夏場のランニングを快適にしてくれるグッズも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
真夏のランニングは十分な対策を!
既にご存じのとおり、日本の夏は非常に蒸し暑く、じっとしているだけでも汗が噴き出てきますよね。
この蒸し暑さを数値化したものとして、「不快指数」というものがあります。
不快指数は気温と湿度から計算することができ、日本気象協会では不快指数を以下のように定義していますよ。
不快指数は、「日中の蒸し暑さ」を表し、数字が大きいほど蒸し暑く不快であると言えます。
「70未満・70~74・75~79・80~84・85以上」の5レベルで、80以上はほとんどの人が不快に感じる暑さです。
引用:日本気象協会tenki.jp 不快指数
ちなみに、不快指数が85の場合、日本人の93%が蒸し暑く不快に感じると言われています。
例えば、気温33℃で湿度70%だと不快指数は85.9となりますよ。
真夏ですと、気温は35℃以上・湿度は70~80%くらいになる日が多いため、不快指数は85を軽く超えてしまうことがわかりますね。
また、平均気温に関しては、以下のグラフのように年々右肩上がりで上昇しており、今後も上昇することが予想されています。
特に東京や大阪などの都市部では、都市化が進んでいる影響から、他の地域よりも気温の上昇が目立っているとも言われていますよ。
出典:「日本の平均気温差」(気象庁ホームページより)
このような高温・多湿の中でランニングをすれば、汗が滝のように噴き出てくることは簡単に想像できます。
そして、そうした状態を放置したまま走り続けると熱中症や脱水症状といった症状を引き起こしかねません。
「自分はまだ若いから大丈夫!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、熱中症や脱水症状は年齢に関係なく命に関わる非常に怖い状態なのです。
真夏のランニングは暑さ対策をしっかりと!注意点は?
真夏のランニングにおいて怖いのは、熱中症と脱水症状になることです。
真夏にランニングをするときは、しっかりと暑さ対策をしましょう。
真夏のランニングでの注意点を紹介していきます。
熱中症
熱中症とは、体温が上昇した結果、体温を調節する機能がうまく働かなくなったり、体内の水分や塩分のバランスが保てなくなったりして、体内に熱がこもっている状態のことです。
この状態が続くと、めまいや頭痛、吐き気といった症状が出てしまい、更に重度になると意識障害やけいれん、そして最悪の場合、命を落とすこともあります。
熱中症は、高温・多湿かつ日差しが強いときに起こりやすいと言われていますよ。
そうしたときにランニングなどの激しい運動をして大量の汗をかくと、体から熱の放出がうまくできなくなり、体に熱がこもるのです。
実際に、熱中症で病院に運ばれる方は温度・湿度共に高くなる6月頃から8月頃にかけて急激に増えています。
また、以下の円グラフのように、熱中症で救急搬送される人のうち19歳から64歳が4割弱を占めていることも、若い人でも熱中症を軽視しないほうが良い証拠でしょう。
出典:東京消防庁ホームページ 年齢区分別の救急搬送人員(令和4年6月~9月)
脱水症状(脱水状態)
脱水症状もまた、ランニングにおいて気を付けるべき症状です。
人間の体の約60%は水分でできていますが、ランニングなどで水分補給をしないまま大量に汗をかくと、体内の水分量は不足してしまいます。
脱水状態が軽度の場合は水分をとることで解決できますが、その状態を放置したままにしておくと体温の調節や老廃物の排出ができなくなりますよ。
そして、たちくらみや吐き気、けいれんなど熱中症と似た症状が発症し、更に重度になると意識障害などが起こり、入院が必要となるケースもあります。
また、体の中から熱を汗として放出できず、体内に熱がこもって熱中症を引き起こす原因にもなるため注意が必要です。
真夏のランニングを快適にしてくれる方法5選!
「熱中症」や「脱水症状」が非常に危険な病気ということをお伝えしてきました。
では、それらを防ぐためにはどのような工夫をしたら良いでしょうか。
真夏のランニングを快適にする方法をご紹介していきます。
「熱中症警戒アラート」と「熱中症予防運動指針」を確認する
「熱中症警戒アラート」という言葉を、テレビなどで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは、環境省が熱中症の注意を呼びかけるために作成しているもので、暑さ指数(WBGT:Wet-Bulb Globe Temperature)に基づいて発表されます。
WBGTは気温・湿度・輻射熱(ふくしゃねつ)・気流という体に影響する環境因子の4つ全てを反映した指標で、WBGTの値が28以上になると熱中症患者数が急激に増加すると言われていますよ。
熱中症警戒アラートが出されると、このWBGTや最高気温(ともに予想値)に加えて、熱中症を予防するための具体的な行動例も教えてくれます。
熱中症警戒アラートは、環境省や気象庁のサイトの他、お天気アプリなどでも確認することができますので、ランニングの際はぜひ確認してみてください。
また、先ほどのWBGTを用いて、日本スポーツ協会は以下のような「熱中症予防運動指針」を作成しています。
例えば、熱中症患者数が増えるWBGT28以上のときは、この指針では「厳重警戒」となっていますよ。
こちらは運動に特化した熱中症対策の指針になるので、熱中症警戒アラートと合わせてランニング前に確認しておくと良いでしょう。
出典:公益財団法人日本スポーツ協会
走る時間帯とルートを変える
まずは、走る時間帯を、早朝や夜などの比較的気温が低くなる時間帯に変えることです。
気温が高くなる10時頃から16時頃は直射日光も強くなっているため、なるべく避けたほうが良いでしょう。
また、ルートに関しては、
- 普段走っているルートで日陰の多い場所を探し、できる限り直射日光に当たらないようにする
- 日陰が少ない・コンビニが近くに無いといったルートを普段走っている場合には、ルートを変更することも検討する
- 意識してこまめに休憩をとる(WBGT28以下では30分、WBGT31以下では10~20分を目安に)
といった工夫をしてみましょう。これだけでも熱中症や脱水状態になるリスクは格段に下がります。
なお、休憩時間の目安時間を記載しましたが、走っている最中に「体調がいつもと違う」「何かおかしい」と感じたら、その時間が経過する前でもすぐに休憩をとるように心がけましょう。
そのように感じるときは、すでに熱中症や脱水症状になりかけている状態かもしれません。
暑さ対策をする
熱中症は気温が高い状態で起こりやすくなるため、暑さ対策も重要です。
特にウェアはランニングに向いた吸湿速乾性などの素材で、かつ、黒などの濃色よりも熱を吸収しにくい淡色のものを選ぶようにしましょう。
同様の理由で、頭や顔への直射日光を軽減してくれるキャップも淡色を選ぶほうが良いでしょう。
他にも、通気性の良い素材が使われているか、日よけカバーがついているかなども、あわせてチェックしてみてください。
また、目から入ってくる直射日光は、まぶしいだけでなく疲労感を引き起こす原因にもなるため、サングラスを装着することもおすすめです。
購入する際には、UVカット機能が99.9%以上、もしくは紫外線透過率が0.1%以下と記載されているものを選んでください。
加えて、スポーツタイプのサングラスは、軽さやフィット感を重視して作られているため、ランニング中に長時間かけていても疲れにくいという特徴もあります。
ユニセックスなデザインのスポーツサングラスも多いので、パートナーや友達とシェアしてみても良いかもしれません。
ここでおすすめなのが「NIKE(ナイキ)ユニセックス スポーツサングラス」です!
こちらの商品は、NIKE(ナイキ)のスポーツサングラスで、フリーサイズなのでサイズの選択もしなくてOKです。
色はオレンジで、真夏に向いている鮮やかな色合いで良いですね。
専用ソフトケース付きなので持ち運びにも便利ですよ。
体を冷やすアイテムを使う
暑さ対策とも重なりますが、体を冷やすことも熱中症予防には効果的です。
走って熱くなった体を冷やすために、頭や体に直接冷水をかける方法もありますが、ネッククーラーや冷却タオル、冷却スプレーなどの冷却ツールを使用することも効果的ですよ。
また、最近では、プレクーリングと言って運動前に手のひらや足の裏を冷やしておくことで、運動時の体温の上昇を抑える方法も提唱されています。
保冷剤をタオルで巻いて手のひらや足の裏に当てるというのでも良いですが、運動前だけでなく走っている最中にも手のひらを適温で冷やすことができる商品もありますよ。
そこでおすすめなのが「コアクーラー 両手用」です!
この商品は、手のひらにある「AVA血管」という体温調節に関わる血管を12℃で冷やすことで、体の中心部の体温(深部体温)を下げることができるものです。
また、適温蓄冷素材を使用している為、保冷剤のように体を冷やしすぎたり途中で溶けてしまったりする心配が無い点も特徴ですね。
手のひらと同じシリーズでフットカバーやアームカバーも販売されているので、そちらもぜひチェックしてみてください。
こまめに水分・塩分補給をする
水分に関しては、のどが渇いたと感じた時点で既に体から水分が不足している状態のため、のどが渇く前にこまめに水分をとっておくことが重要です。
また、水分が体内に吸収されるには30分程度かかるとされています。
そのため、ランニングを始める30分以上前に水分をとっておくことも脱水予防には効果的と言われていますよ。
さらに、体内に吸収されやすい飲み物の温度は5~15℃程度とされているため、氷で冷やしすぎないことも念頭に水分を用意してください。
そして、汗の中にはナトリウム(塩分)が含まれており、ランニングで大量の汗をかくと体から水分だけでなく塩分も失われてしまいます。
そのため、スポーツドリンクや塩分タブレットなどで塩分補給も忘れずにしましょう。
まとめ
- 真夏のランニングには熱中症や脱水症状を起こすリスクがある
- 熱中症警戒アラートや熱中症予防運動指針といった指標、走る時間帯やルートを確認してから走る
- 暑さ対策ができるアイテムや冷却グッズを使って熱中症のリスクを下げる工夫をする
- 水分・塩分をこまめに補給する
今回の記事では、真夏のランニングにおける注意点と対策を紹介しました。
真夏にランニングをする際には、熱中症や脱水症といった危険が伴うこと、そしてそれらの症状は命に関わりかねないことを理解していただけたかと思います。
真夏のランニングで健康を維持するためには、熱中症の対策を準備しておくことが重要です。
事前に時間帯やルートを確認し、装備品などをしっかりと用意した上で、休憩をこまめに取りながら練習に励んでいくとよいでしょう。
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