秋といえば、紅葉がとても美しい季節ですね。日本各地に名所があり、秋の行楽として紅葉狩りに出かけられる方も多いのではないでしょうか。
屋外で観賞することが多い紅葉ですが、日光や水やり、風通しといった栽培環境を整えることで、室内でも紅葉を育てることが可能です。
「紅葉を室内で育てることは難しそう・・・」「紅葉の育て方って室内だと何が重要なんだろう?」
こういった不安や疑問をお持ちの方に、紅葉の育て方における室内栽培でのポイントや水やりや植え替えといった具体的な育て方についても解説します。
ぜひ、この記事で室内における紅葉の育て方についてしっかりと学び、きれいな紅葉をお部屋で楽しんでみてはいかがでしょうか。
紅葉の育て方における室内栽培のポイント3選とは?

紅葉は基本的には屋外で育つ植物のため、盆栽や鉢植えの状態であっても、屋外で育てることをお勧めとされています。
しかし、しっかりとポイントさえ押さえれば、紅葉を室内で育てることも可能です!
ここでは、「紅葉の基本情報」と「室内での育て方のポイント」について、説明します。
紅葉の基本情報は?また楓との違いは?
紅葉(もみじ)とは、一般的にカエデ科カエデ属に分類される植物で、主に秋から冬にかけて黄色や赤といった色に葉が色づく樹木全般を指します。
紅葉とよく似た植物として挙げられる楓(かえで)は、植物の分類上は紅葉と同じ、カエデ科カエデ属に分類されますよ。
それでは、紅葉と楓は一体どこが異なるのでしょうか。
紅葉と楓は葉の切れ込みの深さによって区別されています。
紅葉の葉は切れ込みが深く、人の手のような形をしている一方で、楓の葉は切れ込みが浅く、カエルのような手の形をしていますよ。
室内で育てる場合に押さえるべきポイント3選!
紅葉は基本的には屋外で育てた方が良いとされています。しかし、育て方のポイントを押さえれば、室内でも育てることが可能です。そのポイントは以下の3点です。
- 適度に日光をあたえる
- 風通しの良い場所に置く
- 季節に合わせて水やりの量を変えてあげる
紅葉の成長には日光が必要ですが、夏場のような強い直射日光が当たると、葉が痛んでしまい紅葉が楽しめなくなってしまいます。
1日のうち、基本は日陰で数時間日光が当たる「半日陰」や、直射日光の当たらない「明るい日陰」に置くなど工夫をしましょう。
また風通しの良さも成長には重要ですが、その反面エアコンやヒーターの風や急激な温度変化には弱く、枯れてしまう原因にもなります。
そのため、エアコンやヒーターの風が直接当たらないように注意しましょう。
さらに水やりも、季節ごとに必要となる水分量やタイミングが異なります。
季節の変化に応じて、水やりの回数やタイミングを調節してあげましょう。

紅葉を育てるには、室内環境や適切な水やりが大事なんだね!
紅葉の育て方として盆栽がおすすめの理由は?


ここまで、紅葉の育て方について室内栽培でのポイントを説明してきました。しかし、樹木である紅葉を実際に室内で育てるにはどうしたらよいのでしょうか。
そこでおすすめとなる手段が「盆栽」です。ここでは盆栽の基礎知識とおすすめの理由について紹介していきます。
盆栽の特徴は?
盆栽とは、小さな鉢の中で植物を育て、自然風景を再現して楽しむものを表します。
そのため、樹木を鉢で育てて、そのままの状態を鑑賞する鉢植えとは異なり、自然の景観に近づけるために、剪定や針金での固定といった作業を行うこともありますよ。
ここまでの説明を読んで、「盆栽は敷居が高いな…」と感じられる方もいらっしゃいますよね。
しかし、近年は盆栽を気軽に楽しめるミニ盆栽や小品盆栽も多く販売されていますよ。
普通の盆栽に比べ、扱いやすい大きさかつ値段もリーズナブルなため、盆栽を育てることが初めての方でも挑戦しやすいとされています。
盆栽がおすすめの理由
盆栽の中でも、特にミニ盆栽や小品盆栽が室内栽培にお勧めの理由として下記の二点が挙げられます。
- 扱いやすいサイズ
- 入手しやすい
- 扱いやすいサイズ
盆栽や鉢植えは本来屋外で育てるものが多く、室内で育てる場合は育てる環境が非常に重要です。
日光や風通しが良い場所に置く、時間や天気を見てベランダなど屋外に置く時間を作るといった工夫を行う必要があります。
鉢植えや通常サイズの盆栽では持ち運びが難しいですが、10~20cm程度の大きさのミニ盆栽や小品盆栽であれば、女性でも簡単に持ち運びができますよ。
またサイズが小さければ、室内でのスペース確保も容易になり、適切な場所で紅葉を育てることができます。
- 入手しやすい
一般的に鉢植えや通常サイズの盆栽は、高価なものが多く、精神面でもコスト面でもハードルが高くなってしまう場合が多いでしょう。
特に樹木の室内栽培が初めての方は「失敗したらどうしよう・・・」という不安を抱えている方も多いと思います。
しかし、ミニ盆栽や小品盆栽は比較的リーズナブルな価格のものが多く、特にミニ盆栽では3,000円程度から購入することが可能です。
そのため、室内栽培が初心者の方でも、ミニ盆栽であれば気軽に紅葉の室内栽培に挑戦することができるでしょう。



ミニ盆栽なら、初心者の人でも挑戦しやすそうだね。
紅葉の育て方として種から育てることもできる?


ここまでは、すでにある程度紅葉が成長している盆栽や鉢植えを中心に説明をしてきました。
実は、紅葉は種から育てることが可能なことはご存じでしょうか。
ここでは、紅葉の種の入手方法や育て方について説明します。
種の入手方法は?
紅葉の種は公園や野山などの紅葉の木から入手することができます。10~11月にかけて、プロペラ型の種がなるため、その時期に探しに行くとよいでしょう。
しかし、近くに紅葉の木がなかったり、紅葉の種を見分けて拾うことは難しいと感じる方もいらっしゃいますよね。
そんな方は、園芸店やインターネットで紅葉の種を購入することも可能です。
下記商品は【ヤマモミジの種子を30枚セット】で販売していて、お値段も550円とお手頃な価格となっています。


こちらの商品は、紅葉のプロペラと呼ばれる果実(翼果)で、先端に種子がついているので、そのまま植えることができます。
お店で紅葉の種を集めて送ってくれるため、種を探しに行ったり、枯葉の中から種を見分けたりする必要がなく、紅葉の種を手に入れることができますよ。
種から育ててみたいが、紅葉の種を自分で拾うことは難しいと感じている方におすすめです。
ただし、購入した種がすべて発芽すると保証されているわけではないため、発芽しない可能性も十分に考慮したうえで購入する必要があります。



秋の公園をお散歩しながら、種を探すのもいいね!
種から育てる方法は?
紅葉の種を手に入れたあとは、下記の方法で種を植えましょう。
【紅葉の種からの育て方】
- 紅葉の種を給水させ、水に沈まない種は発芽率が低いため取り除いておく
- 給水した種を回収し、濡れたキッチンペーパーや新聞紙で包んで乾燥しないように冷蔵庫で保管する
- 保管している間に、植えたい鉢と種まき用の土を準備しておく
- 1~3ヶ月ほど冷蔵庫に保存した後、土が入った鉢に種を植える
- 発芽するまで、土が乾かないように丁寧に水やりをする
ただ上記の手順に従っても、入手した種の状態や植えた時期によってはうまく発芽しない場合もありますよ。
種から育てることが難しいと感じる方は、すでに成長している盆栽や苗から育て始めることをおすすめします。
ポイントとしては、植える時期は芽吹く前の10~3月に植える、また種が乾燥すると発芽率が落ちてしまうため、乾燥しないように管理することが重要です。
紅葉の育て方を水やりを含む4つのポイントで解説!


それではここから、紅葉の盆栽の育て方における、水やり・剪定・肥料・植え替え方法について具体的に説明していきます。
「盆栽を育てることは、難しそうだな」と感じる方も多いですが、注意点さえ押されば、初心者の方でも問題なく紅葉を育てることが可能です。
しっかりと紅葉の育て方を把握し、美しい紅葉を育てていきましょう。
水やり
水やりは植物の成長に必要不可欠ですが、水の量が少ないとしおれたり、反対に水の量が多すぎてしまったりすると根腐れを起こしてしまいます。
特にミニ盆栽は土の量が少なく、土がすぐに乾いてしまうため、季節変化や土の状態に合わせて、適宜水やりの量や回数を調節していきましょう。
下記に水やり回数の参考例を載せています。この表を参考に、紅葉に適切な量とタイミングで水やりを行いましょう。
季節 | 1日の水やり回数 |
春 | 1回 |
夏 | 2~3回 |
秋 | 1回 |
冬 | 2~3回 |
肥料
盆栽は自然の紅葉に比べて土の量が少なく、水やりで栄養分も流れてしまいやすい傾向にあります。
そのため、定期的に肥料を与えることで、葉や木の成長を促す必要がありますよ。
肥料を与えるタイミングは、大きく分けて二つあります。
休眠期に入る前の12~1月に肥料を与える(寒肥)を行うことで、葉が芽吹く春先に栄養をきちんと行き渡らせることができます。
また、寒肥を忘れてしまった場合は、4~6月の間に肥料を与えることも可能ですよ(追肥)。
ただ、ここで注意していただきたいことが、秋に肥料を与えると紅葉の葉がきれいに色づかない可能性があるということです。
そのため、紅葉に関しては秋に肥料を与えることは避けてください。
また、盆栽におすすめの肥料として、有機性の固形肥料が挙げられます。
固形のため、肥料を取り除きたい場合の除去が簡単にできますよ。さらに水で溶けて緩やかに効果が持続することから、植物へかける負担も減らしつつ、植物に栄養を与えることができます。
剪定
紅葉は成長が早い植物のため、木に必要な日当たりの確保や木の形を整えるために、葉や枝を整理する剪定を行う必要があります。
しかし、ただやみくもに剪定を行っても、木を弱らせてしまったり、木を枯らせてしまう原因となってしまうため、時期を見極めて剪定を行うようにしましょう。
剪定を行う時期は、1年の間に大きく分けて2回となります。
【5~6月の剪定】
- 成長した葉や枝によって木への日当たりが遮られないようにするために剪定
- この時期に大がかりな剪定を行うと、成長期の紅葉を弱らせてしまう原因となるため、枝や葉を整理する程度にとどめる
【2~3月の剪定】
- 木の形を整えるための剪定
- 成長が止まる休眠期で、細い枝から太い枝まで剪定が可能
- 剪定した枝には、癒合剤を塗布し、傷口からの水分、栄養分の流出や雑菌の感染が起きないように努める
植え替え
盆栽は鉢が小さいため、根が育ちすぎると根詰まりを起こしてしまい、水分や栄養を十分に取ることができなくなってしまいます。
そのため、1~2年に1回の頻度で、植え替えを行いましょう。
植え替えのタイミングは新芽が芽吹く前の3月ごろに行うことがおすすめです。枝や葉の成長が始める前に行うことで、木へのダメージを最小限に抑えることができます。



季節ごとに注意点や行う作業が違うんだね!季節に合わせて育て方を工夫してあげよう♪
まとめ


- 紅葉を室内で育てる際は、適切な「日当たり・風通し・水やり」の3つのポイントを押さえましょう
- 室内で育てる場合は、扱いやすく手ごろな値段の「ミニ盆栽・小品盆栽」がおすすめです
- 紅葉は種から育てる場合は、植える季節や種の乾燥に注意しましょう
- 紅葉の育て方は、季節ごとに異なるため水やりや植替えなど、季節に合わせて適切に行いましょう
紅葉の育て方について、室内栽培のポイントを中心に解説しました。
紅葉を育てると聞くとハードルが高いと感じてしまう方も多いですが、ポイントさえ押さえれば、室内でも紅葉をきちんと育てることが可能ですよ。
あなたもぜひ、この記事を参考に、秋の風物詩である紅葉を室内で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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